准学校心理士の取得
大学の通信教育部のお知らせに、「准学校心理士の取得について」という案内がありました。
令和2年4月以降に卒業を予定している学生は、准学校心理士資格が取得できるようになりました。(令和2年3月以前に卒業している学生は申請できません。。)
資格、とか、〇〇士という名称は、無いよりは有った方が良いと思っていて、どんな資格なのか、私でも取得可能なものなのか、使い勝手のある資格なのか、調べてみました。
准学校心理士とは?
「准学校心理士」は、学校心理士に準ずる資格。学校心理士用の研修を受講し、通常より短い実務経験期間で「学校心理士」を受験可能。
学校心理士とは?
学校等をフィールドとした心理教育的援助の専門家。
学校生活における問題について、子ども自身・子どもを取り巻く保護者や教師・学校に対して、「学校心理学」の専門的知識と技能を持ち、心理教育的援助サービスを行うことの出来るものに対して、一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定する資格。
民間の資格ということですね。
私のような4年生大学生の場合、学校心理士を受験するために必要な、卒業後の専門的実務経験の期間が、5年以上から3年に短縮されることがメリットです。
准学校心理士は、指定の単位を取得して、大学を卒業できれば取得可能ですが、学校心理士は試験(論述+多肢選択+面接)に合格しなければなりません。
学校心理士を目指す人ならば、准学校心理士資格は取得しておいたほうが良いですね。
学校心理士はニーズの高い職業?
学校心理士の資格を持った人が欲しい、という所があれば、民間でもどこでも職業としては成立するのでしょうが、主には名前の通り学校が職場になります。他には、特別支援学級や特別支援学校、教育相談所、教育委員会、教育センターなどでしょう。
スクールカウンセラーとの関連性は?
文科省は「スクールカウンセラー等活用事業実施要領」で公立学校へのスクールカウンセラー配置するものとしましたが、このスクールカウンセラーになれる資格の一つに学校心理士をあげています。(ちなみに、スクールカウンセラーという資格はありません)
スクールカウンセラーは以下の人の中から、実績も踏まえ、都道府県または指定都市が選考します。
スクールカウンセラーの選考
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神科医
- 児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有し、大学の学長、副学長、学部長、教授、准教授または講師の職にある者またはあった者
- 都道府県または指定都市が上記の各者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者
スクールカウンセラーに準ずる者の選考
- 大学院修士課程+相談業務1年
- 大学短大卒業+相談業務5年
- 医師+相談業務5年
- 都道府県または指定都市が上記の各者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者
スクールカウンセラーに準ずる者は、俗に準スクールカウンセラーと呼ばれ、地域によっては学校心理士も該当します。
(正)スクールカウンセラーの資格要件をもつ専門職人材がいない場合、準スクールカウンセラー、学校心理士を任用することができます。
つまり、学校心理士資格を持っているからといって、スクールカウンセラーに必ず応募できるわけではありません。
学校心理士のお給料は?
スクールカウンセラーになった臨床心理士のお給料が、年収およそ400万円ほど。時給ですと4,000円~5,000円程度です。
自治体や学校によって異なるでしょうが、学校心理士は準スクールカウンセラーなので時給3,000円前後が相場です。
1校で週に一日5~6時間程度、いくつもの学校を掛け持ちしているケースも多く、必ずしも高い給料とはなりません。
心理学部でお勉強されている方の中には、お給料の高い低いを気にされている方は少ないかもしれませんが・・
ちなみに、スクールカウンセラーの身分は、地方公務員法に規定する非常勤嘱託員(特別職)となります。
心理学部生が准学校心理士の資格を取得するための最低条件は?
私のような心理学科履修生は、准学校心理士のBタイプ(相談支援機関専門職類型)に該当します。Bタイプは次の単位を取得し、大学を卒業する必要があります。
(Aタイプは学校教員・保育士類型です。児童学科、社会福祉学科、保育科等で設定されている単位の取得が必要です。)
- 教育学校心理学
- 発達心理学
- 障害者障害児心理学
- 福祉心理学
- 心理学的アセスメント
- 心理学的支援法
以上の6科目12単位
大学へ既に提出した卒業までの履修科目簿の中に、この6科目12単位の全ての登録がありました。順調に卒業できれば、准学校心理士の資格は取れそうです。
まとめ
公認心理師や臨床心理士を目指して心理学部へ入学された方であれば、卒業と共に副産物的に頂けるファストパスみたいなものですね。
卒業が決まった4年生の春ごろに、申請するかどうか決めれば間に合います。
学校や教育現場、これまでに類を見ない悪質ないじめや学級崩壊、不登校、引きこもり、自殺、校内暴力・・。家庭内の貧困や虐待。現代の教育現場や子どもの環境でお仕事をするには、並々ならぬ決意が必要です。
でも、必ず、そういうお仕事をする方は必要なんです。待っている人はいるんです。 お若い皆さんには是非ぜひ、こころざし高く、頑張ってほしいです。
コメント